双方向クロスガイド結合器は、マイクロ波RFシステムで使用される高精度受動デバイスです。その主な機能は、主伝送チャネルにおける順方向(入射波)信号と逆方向(反射波)信号のエネルギーを同時にサンプリングし、分離することです。これにより、一次信号伝送への影響は最小限に抑えられます。このデバイスは従来の導波管構造を採用し、低損失と高電力容量を実現しています。また、結合ポートには標準SMAインターフェースが備わっているため、システムへの組み込みとテストが容易です。
主な特徴:
1. 正確な周波数範囲: 動作周波数帯域は 9GHz ~ 9.5GHz を厳密にカバーし、X バンド システム向けに最適化されており、この範囲内でフラットな応答と優れた電気性能を発揮します。
2. 40dB の高カップリング: 正確な 40dB カップリングを提供します。つまり、メイン チャネルから 1 万分の 1 のエネルギーのみがサンプリングされ、メイン システムの信号伝送への影響が最小限に抑えられるため、高出力、高精度のモニタリング アプリケーションに最適です。
3. 双方向結合機能:独自の「クロス」構造を採用することで、1つのデバイスで2つの独立した結合出力を提供します。1つは前方に進行する入射波をサンプリングし、もう1つは後方に進行する反射波をサンプリングします。これにより、システムのデバッグと故障診断の効率が大幅に向上します。
4. 導波管ベースの設計、優れた性能:
低挿入損失: メイン チャネルには長方形の導波管が採用されており、高い伝送効率と最小限の固有損失を実現します。
高電力容量: 高い平均およびピーク電力レベルに耐えることができ、レーダー システムなどの高電力アプリケーションの要求を満たします。
高い指向性と分離性: 入射波と反射波を正確に区別しながら、ポート間の信号クロストークを効果的に抑制し、サンプリングされたデータの信頼性と精度を確保します。
5. 結合ポート用の SMA コネクタ: 結合出力ポートには標準の SMA メス インターフェイスが装備されており、同軸ケーブルやほとんどのテスト機器 (スペクトル アナライザ、パワー メータなど) に直接接続できるため、プラグ アンド プレイ操作が可能になり、システム統合と外部回路設計が大幅に簡素化されます。
主な用途:
1. レーダー システム: 送信機の出力電力とアンテナ ポートの反射電力をリアルタイムで監視し、高価な送信機を保護し、安定したレーダー システムの動作を確保するための重要な「監視」デバイスとして機能します。
2. 衛星通信地上局:アップリンク電力監視とダウンリンク信号サンプリングに使用され、通信リンクの安定性と信頼性を確保しながら伝送品質を最適化します。
3. 実験室でのテストと測定: ベクトル ネットワーク アナライザ (VNA) テスト システムの外部アクセサリとして使用でき、高電力条件下での S パラメータ テスト、アンテナ性能評価、システム インピーダンス整合のデバッグが可能になります。
4. マイクロ波無線および電子妨害装置(ECM):リアルタイムの信号監視とシステム調整のために正確な電力制御と信号分析を必要とする電子戦システムに採用されています。
Qualwave社は、最大220GHzの周波数範囲をカバーする広帯域高出力カプラシリーズを提供しています。中でも、広帯域高出力双方向クロスガイドカプラは2.6GHzから50.1GHzの周波数範囲で動作し、増幅器、送信機、実験室試験、レーダーシステムなど、様々な用途に広く使用されています。本稿では、9~9.5GHz対応の双方向クロスガイドカプラをご紹介します。
1. 電気的特性
周波数: 9~9.5GHz
カップリング: 40±0.5dB
VSWR(メインライン):最大1.1。
VSWR(結合):最大1.3。
指向性:25dB以上
出力: 0.33MW
2. 機械的特性
インターフェース: WR-90 (BJ100)
フランジ: FBP100
材質:アルミニウム
仕上げ:導電性酸化
コーティング:黒色塗装
3. 環境
動作温度: -40~+125℃
4. アウトライン図
単位: mm [in]
許容誤差: ±0.2mm [±0.008in]
5. 注文方法
QDDCC-9000-9500-40-SA-1
詳細な仕様書やサンプルサポートについては、お気軽にお問い合わせください。お客様のニーズに合わせてカプラをカスタマイズすることも可能です。カスタマイズ料金はかかりません。最低注文数量も必要ありません。
投稿日時: 2025年9月18日
+86-28-6115-4929
